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1: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:10:52 ID:nZy0
一軍

1(二)サイカトグ
2(一)記憶の壺
3(遊)ネクロポーテンス
4(左)精神力
5(三)王冠泥棒、オーコ
6(中)タルモゴイフ
7(右)頭蓋骨絞め
8(補)精神を刻む者、ジェイス
9(投)石鍛冶の神秘家


二軍

1(右)苦花
2(遊)リシャーダの港
3(一)四肢切断
4(中)梅澤の十手
5(三)守護フェリダー
6(左)血編み髪のエルフ
7(二)相棒/夢の巣のルールス
8(捕)ヨーグモスの意思
9(投)ヨーグモスの取り引き

引用元: MTG(マジック:ザ・ギャザリング)の強力カードで打線組んだ

2: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:11:55 ID:L9q5
ちょっと待って!死儀礼くんが入ってないやん!

6: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:20:53 ID:nZy0
説明してくわ

サイカトグ (1)(青)(黒)
クリーチャー エイトグ(Atog)
カードを1枚捨てる:サイカトグはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
あなたの墓地にあるカード2枚を追放する:サイカトグはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
1/2

マナコストが軽いくせに一撃でゲームを終わらせる力を持つ凶悪フィニッシャー。
二つのコストが噛み合ってるのが最大の特徴で、手札から捨てたカードを追放(遊戯王でいう除外みたいなもん)することで連続してパンプアップ可能。
墓地が肥えてくる終盤ともなると平気で二桁打点(MTGの初期ライフは20)を叩き出すゴリラになれる。

特に注目を浴びたのは、『激動』というお互いの場の土地を含めた全カードを手札に戻す呪文とのコンボが決め手の【激動サイカトグ】。
流れとして
青呪文のコストを少なくできる『夜景学院の使い魔』を立て、相手の盤面展開を邪魔しながら土地とパーツを溜める。

土地を出す前に激動を発動し盤面を空っぽに。改めて出した土地と事前に浮かせておいたマナでサイカトグを出す。相手にターンを渡す。

相手は土地がないので基本なにもできず、せいぜいクリーチャーを一体出されるだけで相手ターンが終わる。

自ターン、土地をプレイして2マナで除去するなりする。そして召喚酔いが解けたサイカトグをパンプアップ。ぶん殴ってゲームエンド。
といった派手な動きが魅力。
相手にすると打ち消し打ち消しアンド除去で正直クソつまらんのやが、同時に不思議な魅力のあるカードやった

4: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:19:28 ID:xzVA
デュエマで猛威振るっとるニコルボーラスくんはMtGじゃパッとせんのか?

7: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:24:43 ID:nZy0
>>4
ボーラスは間違いなく強いんだけどマナコストがね…


記憶の壺 (5)
アーティファクト
(T),記憶の壺を生け贄に捧げる:各プレイヤーは、自分の手札のカードを裏向きのまま追放し、カードを7枚引く。次の終了ステップの開始時に、各プレイヤーは自分の手札のカードをすべて捨て、これにより自分が追放した各カードを自分の手札に戻す。

畜生ドローエンジンその1。同時に畜生コンボパーツでもあるバケモンや。
TCGに慣れ親しんでいない人でもおかしいと察する凄まじい腐臭を放つこいつは、たった二枚のパーツで相手を瀕死に、三枚あれば即死させられる最凶のコンボデッキ【メグリムジャー】を誕生させた。

やり方は簡単。
対戦相手がカードを一枚捨てるたびに2点のダメージを与える『偏頭痛』と組み合わせる。以上や。
コンボ成立で、たった2枚でも14点ダメージ。記憶の壺か偏頭痛がもう一枚余計にあると28点ダメージとなりゲームエンド。

このコンボの恐ろしいところはパーツの少なさ、順番を選ばない(記憶の壺と偏頭痛どっちを先に出しても成立する)こと、コンボパーツである記憶の壺自体が凶悪ドローエンジンであるため成功率がとんでもなく高かったことが挙げられる。
さらにこのカードが出た時期はMTG史上最悪のブロックと呼ばれるほど凶悪なカードが揃っており、土地を無視してマナを蓄えるギミックが充実していた。そのため手札次第では先行1ターンキルすら可能だった。
当然こんな汚物が許されるわけもなく、世に出てたった119日というとんでもない早さで禁止カードに指定されることとなった(なおこの記録は後に抜かれる模様)。しかも通常の禁止発表スケジュールとは異なる公式の緊急発表という惨事やった。

9: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:26:21 ID:nZy0
ネクロポーテンス (黒)(黒)(黒)
エンチャント
あなたのドロー・ステップを飛ばす。
あなたがカードを捨てるたび、あなたの墓地にあるそのカードを追放する。
1点のライフを支払う:あなたのライブラリーの一番上のカードを裏向きのまま追放する。あなたの次の終了ステップの開始時に、そのカードをあなたの手札に加える。

畜生ドローエンジンその2。
通常のドローが行えなくなる代わりに、ライフをコストとしてドローできるようになる。

こいつが出た当時の1996年世界大会でも大いに注目され、相手の手札を捨てさせるハンデスカードや軽量のクリーチャーを速攻で並べて早い段階で相手にダメージを与えつつ
こちらが息切れしたタイミングで『ネビニラルの円盤』という土地以外のパーマネントを全破壊するリセットカードを起動。
そしてネクロポーテンスで大量にドローし、一方的なアドバンテージ差で勝利する【ネクロディスク】が大流行。ネクロの夏と呼ばれるネクロディスク一強時代となった。
これは恐らく、TCGの歴史で初めて「環境」という概念が誕生した記念すべき夏であり、【12knights】というネクロディスクにメタを張ったデッキで倒されるまでの一幕も含め、貴重な歴史の転換点として記憶されることになったんや。

10: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:29:56 ID:nZy0
精神力 (2)(青)(青)(青)(青)
エンチャント
カードを1枚捨てる:アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とする。あなたはそれをタップまたはアンタップしてもよい。

問答無用のキングオブ汚物。MTG史上最悪の黒歴史と批判されるコンボデッキ【MoMa】のキーパーツ。
要は「タップすることで起動するカードの効果を再利用できる」というカードや。
手順は長いし語っても面白くないからざっくり言うと、起動することで複数のマナを出せるやつを何度も使い回したり増えまくったマナでドローカードを使いまくったりして最終的にマナを70近くため込む。
トドメで『天才のひらめき』っつう支払ったマナの量だけドローできるカードを“相手に”使い、デッキ切れを起こさせて潰すのが目的のデッキな。

手順が複雑でクッソ長いため、当時の環境は
1:コイントスで先攻後攻を決める。
2:マリガン(手札入れ替え)を行う。
3:持ってきた漫画を読む。
と揶揄されるような状況だった。

デッキ切れで死ぬことを防ぐため、土地を6000枚デッキに入れる戦法が検討されたという伝説が残る。

11: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:34:05 ID:nZy0
王冠泥棒、オーコ (1)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー オーコ(Oko)
[+2]:食物(Food)トークンを1つ生成する。(それは「(2),(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つアーティファクトである。)
[+1]:アーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。それは能力をすべて失い、基本のパワーとタフネスが3/3の緑の大鹿(Elk)クリーチャーになる。
[-5]:あなたがコントロールしているアーティファクト1つかクリーチャー1体と、対戦相手がコントロールしていてパワーが3以下のクリーチャー1体を対象とし、それらのコントロールを交換する。
初期忠誠度4

MTGの壊れカードで話題に上りがちなのは古いのばかりやから、なら最近のMTGはやらかしてないのか? と問われると当然やらかしている。これはその代表的一枚や。登場は2019年10月4日発売のパック【エルドレインの王権】
MTGにはプレインズウォーカーっつうカードがあって、忠誠度という体力を[]に書かれた数だけ増減させて横の効果を起動できる能力を持つ。
当然ながら[]の数字がプラスなほど弱くマイナスなほど強くなきゃいけない。じゃないと体力が増えて堅くなるのに強力な効果が使えるってことでバランスおかしなるから。
でもオーコは違った。プラス1能力である「アーティファクトかクリーチャーを鹿に変える」というなんかシュールな技がとんでもなく強かった。

単純に相手の強力なカードを効果なしの鹿に変えるだけでも強いが、逆にこちらの余ったトークンを鹿に変えてもいい。
こんなイカレ能力が体力を増やしながら使えるもんだから、そこかしこで鹿まみれの「奈良公園」と呼ばれる環境が生まれた。

時開催されたチャンピオンシップの参加者の実に71%がオーコデッキを使用していたという事実からもその凶悪さが伺えるな。
公式もこの状況を危惧し、直後の禁止改訂発表でスタンダード禁止措置を受けた。前述の記憶の壺が打ち立てた119日を遙かに上回る49日の超短命。恐らく二度と破られない記録や。

13: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:35:41 ID:nZy0
タルモゴイフ (1)(緑)
クリーチャー  ルアゴイフ(Lhurgoyf)
タルモゴイフのパワーは、すべての墓地にあるカードのカード・タイプの数に等しく、タフネスはその点数に1を加えた点数に等しい。
*/1+*

MTGの歴史に残る恵体豪打。例えるなら年俸三千万で使える大谷翔平。
ぱっと見では強さがわからんが、ゲームを普通に進めれば最低でもクリーチャー、ソーサリー、インスタントは落ちているのでたった2マナで3/4という破格のサイズに育つ。
フェッチランド(自身を生け贄にデッキから土地を引っ張れるカード)を採用していれば4/5が基準値というとんでもないコスパを誇る。
早い段階で出しても強いが、墓地が肥えてくる中盤終盤に出したらより一層強いというカードで、よっぽどのことがない限り腐ることがなかった。
パワーとタフネスという基本能力とコスパの良さで環境を席巻したフィジカルモンスターや。

難点としてトップレアと汎用性故にすげー値段が高く、全盛期は一枚で万を超えた。
そのくせ登場初期は注目されておらず、ショップでワンコインで売られていたという背筋が凍る話も。
MTGが「遊べる株」と呼ばれる理由の一つとして語られる一枚でもあるんや。

14: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:37:14 ID:nZy0
頭蓋骨絞め (1)
アーティファクト 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+1/-1の修整を受ける。
装備しているクリーチャーが死亡するたび、カードを2枚引く。
装備(1)((1):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。このカードはつけられていない状態で戦場に出て、クリーチャーが戦場を離れても戦場に残る。)

畜生ドローエンジンその3。MTGの歴史上最強の装備品と囁かれる化け物。
重要なのは装備したクリーチャーへの+1/-1の修整。これが+1/0なら、それでもイカレてることに代わりはないがここまで化け物にはならんかったはずや。

MTGのルール上、タフネスが0になったクリーチャーは破壊される。頭蓋骨絞めはタフネスにマイナス修整をかける。あと、遊戯王とかと違ってMTGの装備カードは装備クリーチャーが死んでも場に残る。
嫌な予感がしたなら正解。こいつの真のテキストは「マナを1払ってタフネスが1以下のクリーチャーを生け贄に2枚ドロー。何回でもできる」という気が狂ったような性能なんや。
記憶の壺は(あんま意味ないけど)重いマナコスト、ネクロポーテンスは(大したことないけど)デメリットが曲がりなりにもあった。
それに比べて頭蓋骨絞めは発動も起動も1マナと死ぬほど軽く、デメリットらしいデメリットもないという「なんでこんなもん生んだんだよ」と言いたくなるスペックや。ちなみにWotC社もこいつを生んだことは後悔してるらしい。
おまけにタフネス1にしか使えないかというと決してそうでもなく、「こいつをブロックして破壊し2ドローさせるか馬鹿にならないダメージを受けるか選べ」という圧力をかけることにも使えた。

とりあえず出しておけば腐らないこと、無色マナなのでどのデッキでもとりあえず入れられることなどが挙げられて盛んに採用されまくった。
特に強烈だったのはこいつとあらゆる点でシナジーを起こす親和との融合。超速攻超安定超火力の【電結親和】というゲロカスデッキが誕生し、当然の権利のように環境を席巻。多くのMTGプレイヤーの心にトラウマを刻みつけた。

16: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:40:21 ID:nZy0
精神を刻む者、ジェイス (2)(青)(青)
伝説のプレインズウォーカー ジェイス(Jace)
[+2]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードを、そのプレイヤーのライブラリーの一番下に置いてもよい。
[0]:カードを3枚引く。その後、あなたの手札のカード2枚をあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
[-1]:クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
[-12]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからすべてのカードを追放する。その後、そのプレイヤーは自分の手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。
初期忠誠度3

あだ名は名前を略して『神ジェイス』。そんくらい強かった。
こいつが登場した時点では後述の『血編み髪のエルフ』を中心としたジャンドデッキが覇権を握っており、ジェイスが採用されるコントロール系のデッキだと非常に相性が悪かったので比較的均衡を保てていた。
しかし血編み髪のエルフがローテーションでスタン落ちした途端、猟師がいなくなった熊のごとく暴れ始めたんや。

メインとなるのは0能力。毎ターンノーコストで発動できる強力無比な手札増強で、手札から打ち消しを行う青との相性は最高。
デッキトップにいらないカードが貯まるという些細なデメリットもフェッチランドを使えばあっさり解決できるし、フェッチランドがないならないでなんとでもなるからデメリットとして機能しなかった。
他の能力も強力で、プラス2能力は相手に使えばソフトロックに自分に打てばドロー補助に、マイナス1能力は普通にお手軽なバウンス。マイナス12も使う奥義は発動の機会こそ少なかれ、使った瞬間勝利が確定する凶悪な性能と隙がない。

そのあまりの強さから、当時の世界大会上位入賞者8名の合計採用数32枚……つまり全員が上限の4枚突っ込んでいたというエピソードが残っている。
上述のオーコ、レンと6番、精霊龍ウギンといった化け物と並んで「最強のプレインズウォーカー」に名が挙がる一枚や。

なお、最終的に後述の『石鍛冶の神秘家』と組んで悪さをしまくったことが問題視され禁止送りになった模様。

17: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:42:03 ID:nZy0
石鍛冶の神秘家 (1)(白)
クリーチャー コー(Kor) 工匠(Artificer)
石鍛冶の神秘家が戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーから装備品(Equipment)カードを1枚探し、それを公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
(1)(白),(T):あなたは、あなたの手札にある装備品カード1枚を戦場に出してもよい
1/2

超弩級のパワーカードにして自己完結カード。こいつ一枚でする仕事量が半端ではなかった。
場に出たときの範囲クソ広サーチがまず強い。おまけとばかりについたマナコスト踏み倒しがさらに強い。

最も相性がよかったカードは5マナ装備品の『殴打頭蓋』で、場に出た瞬間トークンを生成し、そいつに自動的に装備されて強力なスペックのクリーチャーと化す。装備してるクリーチャーが処理されても、3マナ払えば手札に戻る。
殴打頭蓋はマナコスト的に5ターン目以降でないと本来は出ないのだが、それを最短3ターンで発動でき、万が一処理されても手札バウンスとマナコスト踏み倒しと組み合わせればゾンビのごとく何度も復活する。

当然、殴打頭蓋以外にも強力な装備品はたくさんあり、むしろこいつの真価はそのときの状況に合わせてフレキシブルに戦術を変えられる柔軟性にあると言える。
それを下支えするのが先ほども説明した精神を刻む者、ジェイス。神秘家と神ジェイスを組み合わせたデッキ【Caw-Blade】は元気に環境を粉砕し、イケメンと美女が生み出す台風に阿鼻叫喚の地獄絵図となった。

当然許されなかったのでジェイスと一緒に仲良く禁止行き。コンボパーツとしてでなくそれ単体で機能する2枚のパワーカードによる忌々しい黄金バッテリーだった。

18: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:45:01 ID:nZy0
苦花 (1)(黒)
部族 エンチャント フェアリー(Faerie)
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失い、飛行を持つ黒の1/1のフェアリー(Faerie)・ならず者(Rogue)クリーチャー・トークンを1体生成する。

パーミッションデッキ(カウンター呪文を連打して相手の行動を阻害するデッキタイプのこと)の打点確保に使われ、こいつが流行っていた時期は「フェアリーの冬」なんて呼ばれた。
ぱっと見は1/1のクリーチャーを呼び出すだけで大したことなさそうに見えるが、マナコストが軽い、トークンが飛行(同じ飛行持ちか到達という属性のクリーチャーでしかブロックできない)、ターンが終わってもトークンは場に残り続ける。といったメリットが注目され、晴れて人間の屑に昇格。
最速2ターン目にこいつを着地させ、後はひたすら相手の行動を妨害しながら湧き出たトークンで殴り続けているといつの間にか勝っている。

この手のコントロールデッキはこちらが勝つための何らかのフィニッシャーにリソースを割く必要がありそこが隙になるんやが、こいつは最初に着地させちまえば後はライフを払うだけで全自動で打点が出るので、開き直って相手の妨害に全力になることができた。
行動を片っ端から阻害されながらチクチクチクチクチクチクチクチク殴られる不快度は半端ではなく、「MTGがつまらなかった時代」を挙げさせるとMoMaや電欠親和と並び、苦花が必ず挙がるほどや。

19: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:48:47 ID:nZy0
リシャーダの港
土地
(T):(◇)を加える。
(1),(T):土地1つを対象とし、それをタップする。

「見ただけでは強さがわかりにくいカード」の代名詞的な一枚で嫌がらせの権化。
別名リシャポ。由来はわからん。

普通に使うだけでも高い拘束力を発揮するが、特に強烈なのは多色デッキ相手のときやな。
多色デッキってのは読んでそのまま複数色のマナが必要なカードをメインに採用したデッキのことやが、片方の色マナを出す土地を抑え続けるだけで、手札によっては機能不全を起こさせることも。

もしこれがクリーチャーやアーティファクトだったら優秀な除去が揃ってる点で注目度は低かったかもしれんが、リシャーダの港は土地という対処手段が非常に限られるタイプのため、きっちり仕事をこなすことができた。
また、土地であることから手札で腐るということが起きず、当然の権利のようにあらゆるデッキで4積みされ、レスラーの首相撲のごとき重苦しい膠着が環境を支配することとなった。

20: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:49:25 ID:nZy0
四肢切断 (1)(黒/Φ)(黒/Φ)
インスタント
((黒/Φ)は(黒)でも2点のライフでも支払うことができる。)
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-5/-5の修整を受ける。

-5/-5という破格のマイナス修整を持つ万能除去。
こいつの最大の問題点は、マナコストをライフを代替に支払うことができてしまうということ。
つまり、黒やファイレクシアに限らずありとあらゆるデッキに採用されることとなり「タフネス5以下に人権はない」という狂気的な『四肢切断ライン』を構築したで。

このようなタイプの除去カードが流行すると『カヴーライン』や『砕骨ライン』といったある数字以上のタフネスが重用される環境になりはするが
色マナの縛りがなく修整幅も大きいこいつはやはり強すぎて、多くの優良クリーチャーが「四肢切断で死ぬから」と採用を見送られる惨事となってしまったんや。

21: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:53:01 ID:nZy0
梅澤の十手 (2)
伝説のアーティファクト 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたび、梅澤の十手の上に蓄積(charge)カウンターを2個置く。
梅澤の十手から蓄積カウンターを1個取り除く:以下から1つを選ぶ。
・装備しているクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
・クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける。
・あなたは2点のライフを得る。
装備(2)

圧倒的な性能を誇る伝説の装備品。殴ってもブロックしてもカウンターが乗るので、基本的に途切れることがない。
そしてこのカウンターを取り除いて発動する効果が強い。

一つ目のパンプアップ能力は、常時強化ではないとはいえ、カウンター二つを取り除けば+4/+4修整と非常に強力。
そもそもこの修整幅である+4/+4よりサイズが小さいクリーチャーのが大半なため、こいつを発動して殴ればライフに大ダメージかクリーチャーの撃破が行え、そしてその戦闘でまたカウンターが貯まる。
二つ目のマイナス修整は安定除去。カウンターを二つ使えばタフネス2は崩せるし、対象を分配すればタフネス1を二体潰すなんてのもできる。
さらに一つ目の能力はクリーチャーに装備してないと意味がないがこれは場にあれば使えるため、殴り負けた後のダメ押しで相手の大型クリーチャーを潰すといったことも可能だった。
三つ目のライフゲインはこの中では地味だがなかなかに強力で、特にカード効果で直接ダメージを与えてくるバーンデッキ相手などはこれをひたすら繰り返すだけで弾切れを起こさせることができる。

そして何より注目されたのは二段攻撃という能力のクリーチャーとの相性の良さ。
二段攻撃持ちは文字通り一度の戦闘で二回の攻撃が行えるため、単純に貯まるカウンター数が二倍。
例えば1/1のサイズを持つ二段攻撃クリーチャーに十手を装備させると
1×2で2点ダメージ+カウンター4つ乗り

カウンター4つ全部使って一つ目の効果発動。+8/+8修整で9/9に。

9×2で18点ダメージ。最初の2点と合わせて20点。ライフを全部削って勝利。
といった芸当まで可能。
相手の場にクリーチャーを並べられたのなら二つ目の効果で駆除すればよく、こっちのライフが心許なければガッツリ回復すれば安心。

このように一枚のカードにビートダウン、除去、回復の三つが搭載された汎用性は凄まじく、当時は先に十手を出した方が勝つ十手ゲー状態となった。
『ファッキンジャパニーズウェポン』なんてあだ名で呼ばれたりした。

22: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:55:49 ID:nZy0
守護フェリダー (3)(白)
クリーチャー 猫(Cat) ビースト(Beast)
守護フェリダーが戦場に出たとき、あなたがコントロールする他のパーマネント1つを対象とする。あなたはそれを追放してもよい。そうしたなら、その後そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
1/4

要は場のカードを使い回す能力や。
これ単体でも結構便利で普通に使い勝手のいい優良クリーチャーだったはずが、ある一枚のカードとの出会いでとんでもないことをやらかす。

『サヒーリ・ライ』というプレインズウォーカーのおばさんがいる。
彼女の能力は、場のクリーチャーを対象とし同じ能力のコピーを量産すること。おまけで速攻(召喚酔いがなく着地後すぐに攻撃できる能力)までつけてくれる。
こいつに守護フェリダーを組み合わせるとこんなことになる。

守護フェリダーがおばさんを亜空間に飛ばす。

帰ってきたおばさんが能力を使って守護フェリダーを増やす。

増えた守護フェリダーの能力でおばさんを亜空間に飛ばす

このようにたった二枚で無限ループコンボを組めてしまう。あの悪名高いメグリムジャーに並ぶ手軽さで、なんならライフを削り切るには三枚必要だったメグリムジャーよりも決定力が高い。
おまけにメグリムジャー同様カードの順番に関係なく、フェリダーが先でもおばさんが先でもループが発動してしまう。
やろうと思えば一億匹の不細工な猫でレ○プすることもできる。

開発部は素でこのお手軽無限ループに気づいていなかったらしく、散々馬鹿にされたで。
この二枚だけで完結するコンボの完成度に他のコンボデッキが否定される事態となり、多くのプレイヤーが禁止されるものと考えていたんや。
しかし、発売後の禁止改訂発表の中に守護フェリダーの名前はなかった。
だがそれからたったの三日後、あの記憶の壺と同様の公式からの緊急声明が入り、守護フェリダーの禁止が発表された。この方式での禁止化は記憶の壺以来。

そもそものループコンボに気づいていなかったこと、急に方針転換して禁止発表したことから「WotCがついに駄目になった」と囁かれることとなり、
壊れカードを刷ってしまう頭の悪さとはまた別種の、企業内部の状況が危ぶまれるという忘れがたい黒歴史を築くこととなった。

23: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)21:57:36 ID:nZy0
血編み髪のエルフ (2)(赤)(緑)
クリーチャー エルフ(Elf) 狂戦士(Berserker)
速攻
続唱(あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、コストがより低い土地でないカードが追放されるまで追放する。あなたはそれをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。追放されたカードをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。)
3/2

4マナ3/2速攻となかなかのスペックながら続唱というイカレ能力まで持っていたため大暴れ。
ライブラリーからランダムで拾ってくるため確実に欲しいカードを使えるわけではないが、たった一枚でカード二枚分のアドを取れるパワーは凄まじく、こいつを採用した【ジャンドコントロール】というデッキが猛威を振るうことになったんや。

さらにこのカードの強みの一つとして、続唱の発動条件が「あなたがこの呪文を唱えたとき」であるため、除去されようと打ち消されようと効果が発動、アドバンテージを取れるため打ち消し主軸の青コントロールにかなりの優位に立てた。
テンポよくカードを出して殴っていれば勝てる単純さと青使いの悔しそうな顔が楽しめるとして人気を博したで。
しかし血編み髪のエルフがスタン落ちした後、鬱憤を晴らすかのごとくコントロールがクソ強くなったのは上でも書いた通り。

24: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)22:02:07 ID:nZy0
夢の巣のルールス (1)(白/黒)(白/黒)
伝説のクリーチャー 猫(Cat) ナイトメア(Nightmare)
相棒 ― あなたの開始時のデッキに入っている各パーマネント・カードが、それぞれマナ総量が2以下であること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、ソーサリーとして(3)を支払うことでゲームの外部からそれをあなたの手札に加えてもよい。)
絆魂
あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地からマナ総量が2以下のパーマネント呪文を1つ唱えてもよい。
3/2

ルールス自体も強いが、何より「相棒」というシステムが壊れてた。
ゲームの外部というのはライブラリーに加わっていない本当に外部ということで、ここでは除去もハンデスもライブラリーアウトも通用しない。
言うなれば条件を満たすことで、カードゲームアニメや漫画でよく見るシャイニングドローを再現できるカード群なんや。

しかも、上に書かれているテキストはナーフ(弱体化)後のもので、それ以前の登場当初は
(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、あなたは1回のみゲームの外部からこれを唱えてもよい。)
という内容だった。3マナ支払って手札に加えるというラグすらなかったんや。

じゃあ相棒の条件は厳しいのかというとそうでもなく、特にマナ総量2マナ以下でデッキを組むことというガバガバ条件のルールスは大人気に。

ただ、これはルールスの危険性のほんの一端でしかなく、ヴィンテージではガチの害獣として猛威を振るった。
ヴィンテージとはMTGのフォーマットの一つで、MTGに存在するカードの殆どを使うことができる。禁止カードの数は極わずかで、あの記憶の壺やネクロポーテンスでさえ(一枚制限だけど)使うことができてしまう魔境なんや。

そんなヴィンテージで、ルールスは禁止になった。
これはヴィンテージという広すぎるカードプールではあまりにも強すぎるという理由で、ルールス単体が記憶の壺やネクロポーテンスより危険というわけではないが、それでも禁止になってしまったんや。

ヴィンテージの他の禁止カードは、例えば高い場所からカードを弾いて上に乗ったらダメージだとか、人権や特定文化に攻撃的だったりとか、アンティ(賭け試合)に関する効果とかみたいな「そういうのはダメでしょ」という事情のものが全てや。
そんな中、自身のスペックだけで禁止を言い渡されたルールスは前代未聞と言えるで。

25: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)22:04:11 ID:nZy0
ヨーグモスの意思 (2)(黒)
ソーサリー
ターン終了時まで、あなたは、あなたの墓地から、土地をプレイしても呪文を唱えてもよい。
このターン、あなたの墓地にいずれの領域からでもカードが置かれるなら、代わりにそれを追放する。


ヨーグモスの取り引き (4)(黒)(黒)
エンチャント
あなたのドロー・ステップを飛ばす。
1点のライフを支払う:カードを1枚引く。


この二つについては一度に紹介するで。

ヨーグモスの意思はそのターン限りではあるが墓地のカードを好きなように選んで唱えられる凶悪呪文。
ヨーグモスの取り引きはカードの除外効果が消えて手札に即座に加えられるようになったが、代わりにマナコストが倍になったネクロポーテンス。

どちらも単体で非常に強力なカードやが、普通に使うよりも【ピットサイクル】という伝説のコンボデッキのパーツとして有名なんや。
ピットサイクルは
カード同士のシナジーとライフレースがギリギリのバランスで調和しているコンボ自体の美しさ。
ライフも手札も戦場もライブラリーも墓地すらもしゃぶり尽くして最終的に勝利するという芸術性。
メインカラーの黒を象徴するようなこの上なく黒らしいデッキコンセプト。
が評価され、MTG史上で最も美しいデッキだなんて言われとる。

これは言葉で伝えるの難しいから動画見た方がええかも。

https://www.youtube.com/watch?v=XrsA6QEe1Xw

26: 名無しさん@おーぷん 21/09/23(木)22:05:11 ID:nZy0
終わりや
需要あったんかわからんけど、付き合ってくれてありがとうやで
ほなアリーナやって寝るわ

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