1: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:22:12 ID:6qA
藤浪くん、お早う。
モース硬度1以下肩の監督を始末したのに疲れ、泥のように眠ったのは誰にもわからないくらい、今の気分は朗らかだ。
僕は分厚いガラスの水槽をノックする。
一斉に目を覚ました藤浪くん達が僕の方へゆらゆらと寄ってくる。
大谷。しょーやん。翔平くん。ご主人様。兄貴。翔平。
藤浪くん一人一人が、泡を吐き出しながら違う名前で僕を呼ぶ。
基の藤浪くんと同じ子。
僕を受け入れてくれた子。
まだ恥ずかしがっている子。
僕を慕っている子。
弟になった子。
兄になった子。
体の大きさや性格は全て違うけれど、此処にいるのは皆”藤浪晋太郎”だ。
僕はこの子たちを平等に愛し、この子たちに平等に愛される。
今日は誰と遊ぶの?
今日は俺でしょ?
いや俺だって!
いや僕が!
今日の”遊び相手”を巡っての喧嘩が始まった。いつものことだ。
ごめんね。今日はもう決めてるんだ。
リモコンを手にとって、一つ、ボタンを押す。
触手のように細長いアームが、水槽の奥でうずくまったままの藤浪くんに巻き付く。
その藤浪くんはもがき逃れようとするが、この腕にはそんなこと、不可能だ。
やがて昇降台の上に全身が濡れそぼったままの藤浪くんが横たわった。
僕が藤浪くんに手を伸ばすと、力なく手を払われた。
藤浪シリーズで唯一僕を受け入れない、オリジナルの藤浪くん。
今日こそは受け入れて貰おうと心に決めた。だからもう一度、藤浪くんに手を伸ばす。
くんな・・・
また、手を振り払われた。
もう一度。
いい加減にしろ・・・
藤浪くんは背中を向けて丸まってしまった。
もう一度だけ・・・
・・・やめてくれ。
・・・また、拒まれる。
藤浪くんへの愛は本物なのに、どうして伝わらないんだろう。
オリジナルにしかない、何かがあるのだろうか。
僕は唐突にそれが知りたくなった。
モース硬度1以下肩の監督を始末したのに疲れ、泥のように眠ったのは誰にもわからないくらい、今の気分は朗らかだ。
僕は分厚いガラスの水槽をノックする。
一斉に目を覚ました藤浪くん達が僕の方へゆらゆらと寄ってくる。
大谷。しょーやん。翔平くん。ご主人様。兄貴。翔平。
藤浪くん一人一人が、泡を吐き出しながら違う名前で僕を呼ぶ。
基の藤浪くんと同じ子。
僕を受け入れてくれた子。
まだ恥ずかしがっている子。
僕を慕っている子。
弟になった子。
兄になった子。
体の大きさや性格は全て違うけれど、此処にいるのは皆”藤浪晋太郎”だ。
僕はこの子たちを平等に愛し、この子たちに平等に愛される。
今日は誰と遊ぶの?
今日は俺でしょ?
いや俺だって!
いや僕が!
今日の”遊び相手”を巡っての喧嘩が始まった。いつものことだ。
ごめんね。今日はもう決めてるんだ。
リモコンを手にとって、一つ、ボタンを押す。
触手のように細長いアームが、水槽の奥でうずくまったままの藤浪くんに巻き付く。
その藤浪くんはもがき逃れようとするが、この腕にはそんなこと、不可能だ。
やがて昇降台の上に全身が濡れそぼったままの藤浪くんが横たわった。
僕が藤浪くんに手を伸ばすと、力なく手を払われた。
藤浪シリーズで唯一僕を受け入れない、オリジナルの藤浪くん。
今日こそは受け入れて貰おうと心に決めた。だからもう一度、藤浪くんに手を伸ばす。
くんな・・・
また、手を振り払われた。
もう一度。
いい加減にしろ・・・
藤浪くんは背中を向けて丸まってしまった。
もう一度だけ・・・
・・・やめてくれ。
・・・また、拒まれる。
藤浪くんへの愛は本物なのに、どうして伝わらないんだろう。
オリジナルにしかない、何かがあるのだろうか。
僕は唐突にそれが知りたくなった。
引用元: ・大谷「藤浪くん・・・藤浪くん・・・」ゴポポッ
2: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:22:23 ID:6qA
藤浪くんに暗示をかけ、正直なことを話してもらおうと思った。
ゆっくりと眠りに落ちる藤浪くんが、僕に手を伸ばしかけていたのは気のせいだろうか。
まあいい、始めよう。
藤浪くんは・・・僕のこと、好き?
・・・嫌い。
不鮮明な声の中で、これだけがやけにはっきりと聞こえた。
・・・どうして?
・・・あれだけ好きとか言っておいて、俺のことを、ミジンコほどもわかってなかった。
好き勝手に閉じ込めて、傷つけて・・・。
・・・僕にはこんな愛情表現しかできないんだよ。
横目に水槽の中の藤浪くんたちを見る。皆、”遊んだ”痕が体中に残っていた。
いつまでたっても、バカでごめんね?
僕は、藤浪くんが欲しかったんだ。藤浪くんの、全部を。
ゆっくりと眠りに落ちる藤浪くんが、僕に手を伸ばしかけていたのは気のせいだろうか。
まあいい、始めよう。
藤浪くんは・・・僕のこと、好き?
・・・嫌い。
不鮮明な声の中で、これだけがやけにはっきりと聞こえた。
・・・どうして?
・・・あれだけ好きとか言っておいて、俺のことを、ミジンコほどもわかってなかった。
好き勝手に閉じ込めて、傷つけて・・・。
・・・僕にはこんな愛情表現しかできないんだよ。
横目に水槽の中の藤浪くんたちを見る。皆、”遊んだ”痕が体中に残っていた。
いつまでたっても、バカでごめんね?
僕は、藤浪くんが欲しかったんだ。藤浪くんの、全部を。
3: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:22:40 ID:6qA
俺もお前も、これだけ苦しい思いをするなら。・・・いっそ俺を殺してくれ。
藤浪くんの唐突な願い。
僕はそれをかなえることにした。
今まで望まないことばかりをされてしまった藤浪くんへのお詫びに、僕が唯一出来ることをしよう。
透明な液が、管を伝って藤浪くんの中へ入っていく。
最期くらいは、優しくしてあげたい。
藤浪くんはもう目を開かなくなった。
か細い息が途絶える寸前、藤浪くんは僕の顔に触れて、
またね。
とだけ告げた。
藤浪くんの唐突な願い。
僕はそれをかなえることにした。
今まで望まないことばかりをされてしまった藤浪くんへのお詫びに、僕が唯一出来ることをしよう。
透明な液が、管を伝って藤浪くんの中へ入っていく。
最期くらいは、優しくしてあげたい。
藤浪くんはもう目を開かなくなった。
か細い息が途絶える寸前、藤浪くんは僕の顔に触れて、
またね。
とだけ告げた。
4: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:25:13 ID:gY2
沢村賞モノやね
5: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:25:28 ID:1HZ
ちょっと泣いた
6: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:29:00 ID:BsB
どんどんこの系統の定期スレ進化してんな
8: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:42:31 ID:zYS
これは純愛
+1145141919810334点
+1145141919810334点
9: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)01:50:56 ID:7cQ
純愛だからと言って何でもしていいわけではない
-1145141919810334点
-1145141919810334点
13: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)02:09:36 ID:vEf
イグノーベル文学賞不可避
14: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)02:36:24 ID:kBu
これは純愛ですわ
15: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)20:28:39 ID:lT2
多分大浪シリーズで一番好きやわ
17: 名無しさん@おーぷん 2018/02/19(月)23:55:13 ID:IvI
過去最低に怖い(褒め言葉)
-11451419198103349800
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