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1: 名無しさん@おーぷん 2018/02/09(金)16:06:42 ID:ezU
藤浪くんは今、僕のそばで輝いている。
移籍して2年目。僕は今、ワールドシリーズ最終戦・8-7で最終回を迎えたマウンドに立っている。
藤浪くん・・・あと、もう少しだよ。
藤浪くんのすべてを集めたダイヤモンドをユニフォームの上から軽く握りしめた。

藤浪くんは僕の目の前で、この世から消え去った。僕は悲しみに暮れ、一度は後を追おうと藤浪くんのベルトをドアノブに掛けた事もあった。結局死ねなかったけど。
けど、藤浪くんが大好きな野球を、僕と一緒にさせてあげたかった。数年前、あの場所で藤浪と相対した時に、18.44メートル先で藤浪くんは優しい笑みを浮かべていたのが、瞬きにも近いくらいの時間で、明確に思い出せる。

藤浪くんが例え生まれ変わったとしても、僕のことは覚えているかわからない。
だから無理を言って骨を分けてもらった。ほんの少しだけだったから、必要な炭素を僕が持っている藤浪くんの全てを渡すことで補った。
寮の部屋にずっと貼っていた落書きに近い僕の字だらけの新聞の切り抜き。雑誌の企画で交わした手紙。密かに集めていた髪の毛。膝が破れかけたズボン。焼き増しした沢山の写真。その一つ一つ、全てが宝物だった。

1球投げる度に藤浪くんの記憶が蘇り、胸元のダイヤが跳ねるように揺れる。
ああ藤浪くん・・・今まで以上に野球が楽しいよ・・・!こんなの・・・初めてだ。
藤浪くんも元自責点詐欺監督から解放された事を悦んでいるんだね・・・僕が始末したって知ったとき、心の底から笑ってたもんね。

藤浪くんと重なった体の感覚が、127回目のモーションに入る。
もう・・・終わりなんだね。こんなに楽しかった試合も、これで・・・
18.44メートル先。そこで乾いた音が鳴った。

試合は勝利で幕を閉じた。スタジアムには地鳴りのような歓声が響き、チームメイトが僕を抱きしめる。
藤浪くんと一緒に、アメリカで1番になった。地球が消えるときまで残り続ける記録が、また一つ増えた。
・・・今度は何をしよう。ノーノーはとっくの昔に達成した。
最多奪三振、首位打者、三冠王、トリプルスリー・・・まだまだ作れる記録は幾らでもある。
ねぇ・・・藤浪くんはなにがしたい?

 ・・・きて・・・

藤浪くんが、そう言った気がした。

引用元: 大谷「藤浪くん・・・藤浪くん・・・」キュッ

2: 名無しさん@おーぷん 2018/02/09(金)16:06:53 ID:ezU
藤浪くんの体液がこびりついた写真を手に持ち、僕は深呼吸を一つ。
テレビから、生きていた藤浪くんの声が聞こえる。
首に藤浪くんの臭いが染み付いたベルトを掛ける。
藤浪くん・・・大好きだよ。
だから・・・僕も・・・
僕は椅子を蹴った。
梁のきしむ音がする。息ができなくなって、喘ぎ声が泡とともに口から漏れる。
苦しくて足を揺らすけど、苦しみと共に今までに知るものとは全く違う快感が脳を襲う。
口からは涎が零れ、股の間からは尿と淫らな液が伝い、つま先から床に滴る。
あっあっあ・・・藤浪くん・・・死ぬのってこんなに気持ちいいんだ・・・
こんなに気持ちいいなら藤浪くんを永遠のものにしたときに、一緒に死んでしまえば良かった。
今わかったよ。
藤浪くんは・・・寂しかったんだね。
ごめんね、気づけなくて。

もう、ひとりぼっちにはしないよ。

4: 名無しさん@おーぷん 2018/02/09(金)16:27:50 ID:Iqh
神定期

6: 名無しさん@おーぷん 2018/02/09(金)16:29:19 ID:eiW
狂気を感じる素晴らしい作品

8: 名無しさん@おーぷん 2018/02/09(金)16:35:14 ID:vrI
>>元自責点詐欺監督

まーたヤネキの蔑称が増えてしまったのか

7: 名無しさん@おーぷん 2018/02/09(金)16:32:25 ID:UBd
純文学やね

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