1: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:03:06 ID:TDf
幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。
学もなく、技術もなかった母は、個人商店の手伝いみたいな仕事で生計を立てていた。
それでも当時住んでいた土地は、まだ人情が残っていたので、何とか母子二人で質素に暮らしていけた。

娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を持って、近所の河原とかに遊びに行っていた。
給料をもらった次の日曜日には、クリームパンとコーラを買ってくれた。

ある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚もらってきた。
俺は生まれて初めてのプロ野球観戦に興奮し、母はいつもより少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。

野球場に着き、チケットを見せて入ろうとすると、係員に止められた。

引用元: 彡(^)(^)「今日はマッマとやきう観戦や!楽しみやなぁ」

2: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:03:25 ID:TDf
母がもらったのは招待券ではなくプレミアムラウンジ観戦券だった。

専用入口からの入場、最高おもてなし、高級シートに座っての夢の空間での観戦と言われ、
帰りの電車賃くらいしか持っていなかった俺たちは、ビュッフェでたらふく食べて帰った。

電車の中で無言の母に「おいしかったよ」と言ったら、
母は「母ちゃん、あんなに美味しい料理初めて食べたよ」と言って涙を少しこぼした。

俺は最高の思いをさせた料理と空間がとことん好きになって、一生懸命に料理研究した。
一流シェフの元で修業し、一つ星レストランのオーナーシェフになった。
結婚もして、母に孫を見せてやることもできた。

そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように言った。
「あの時の野球、どうなったんだっけ?」

俺は結果を言おうとしたが、最後まで思い出せなかった。

3: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:04:46 ID:bcW
ん????

4: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:05:31 ID:e0S
ベクトルが変わってて草

5: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:05:53 ID:xen
優しい世界

6: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:06:42 ID:L6k
野球そっちのけで食ってたのか

7: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:07:06 ID:cwE
創作改変

8: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:07:23 ID:0zg
球場メシ楽しみすぎると試合がどうでもよくなるのはわかる

9: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:07:49 ID:nrj
ハッピーエンドでホンマ良かった

10: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:07:51 ID:ti3
別の世界線

13: 名無しさん@おーぷん 2017/09/10(日)23:09:16 ID:lvQ
贔屓がボロ負けしたのか記憶が消えてますね……

野球観戦娘! (MFC)