1: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:17:39 ID:Ibw
幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。
学もなく、技術もなかった母は、個人商店の手伝いみたいな仕事で生計を立てていた。
それでも当時住んでいた土地は、まだ人情が残っていたので、何とか母子二人で質素に暮らしていけた。

娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を持って、近所の河原とかに遊びに行っていた。
給料をもらった次の日曜日には、クリームパンとコーラを買ってくれた。

ある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚もらってきた。
俺は生まれて初めてのプロ野球観戦に興奮し、母はいつもより少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。

野球場に着き、チケットを見せて入ろうとすると、係員に止められた。

引用元: 彡(^)(^)「今日はマッマとやきう観戦や!楽しみやなぁ」

3: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:18:29 ID:Ibw
母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。

チケット売り場で一人1000円ずつ払ってチケットを買わなければいけないと言われ、
帰りの電車賃くらいしか持っていなかった俺たちは、外のベンチで弁当を食べて帰った。

電車の中で無言の母に「楽しかったよ」と言ったら、
母は「母ちゃん、バカでごめんね」と言って涙を少しこぼした。

俺は母につらい思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって、一生懸命に勉強した。
新聞奨学生として大学まで進み、いっぱしの社会人になった。
結婚もして、母に孫を見せてやることもできた。

そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように「野球、ごめんね」と言った。

俺は「楽しかったよ」と言おうとしたが、最後まで声にならなかった。

4: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:19:19 ID:1ZE
泣くからやめろ

5: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:19:19 ID:w0H
悲しいなぁ

6: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:19:29 ID:K46
イイハナシダナー

8: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:20:43 ID:M4U
(´;ω;`)

9: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:20:43 ID:59u
おお、もう...(絶句)

11: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:22:08 ID:f3l
ちゃんと息子が大成したならええ話やん

13: 名無しさん@おーぷん 2017/09/09(土)14:28:18 ID:r0a
懐かしいネタ

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