1: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:08:25 ID:0Cq
均一のリズムで発する、冷たい機械音。この一つひとつが、生命の有無を証明する。
11月某日、世間がストーブリーグの行く末に一喜一憂する宵、ある男が『そこ』へ訪れた。

「ドクター、彼の様子はどうだろう」
「よく眠っています。明日には目覚めるでしょう」
「では、今回も」
「ええ。『間に合う』でしょうね」
男は、彼と呼んだポッドに目を移す。巨大な試験管めいた、ガラスのポッド。そこにはジャイアンツのロゴよりも濃い橙色の培養液が注がれており、その中心には――。

「全く、引退とは名ばかりだな。俺達はいつになったら自由になれるんだろうな」
中心に浮かぶ黒々とした髭は、何も言わない。今はまだ、彼は間に合っていないのだ。
「何度死んでも、皆が望む故に甦らなくてはならない。そんなものを永遠続ける事に、なんの意味があるのだろう」
ドクターはその小さな言い間違いを見逃さなかった。
「失礼ながら『永遠』ではなく――」
「僕が言いたいのは『永遠』」
大正義読売巨人軍元監督(58)は、陰りを含んだ笑みでそう返す。
「また来るよドクター。彼によろしく伝えておいてくれ」

元監督が去った後、ドクターは培養液の中の髭が、微かに揺れている事に気づく。何かを喋っているのだ、とすぐに分かった。
「シナ……キーン……シ……ナキー……ン」
それは、畜生極まりない笑い声にも、自身の運命を呪う嗚咽にも聞こえた。
「シナキーン……シナキーン……」

彼、『巨人小笠原終身名誉死刑囚』の声は、東京ドーム地下に響き続けた。新たなカッスレが生まれ、また甦る事となるまで、ずっと。

引用元: 巨人小笠原、永遠の命を手に入れる

3: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:10:57 ID:UxG
サンキューカッス

5: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:12:54 ID:Bp7
こういうカッスレすこ

9800点

6: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:13:33 ID:B50
すごe

7: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:13:44 ID:Ufd
斬新かつ完成度が高いが、斬新であるが故に現在の基準での採点が出来ない

8: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:14:58 ID:Z6z
文豪ではあるが適切な採点が出来ない
近年稀に見る傑作と位置付けておく

10: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:56:44 ID:TDZ
僕永の使い方がかっこいい

9: 名無しさん@おーぷん 2016/11/08(火)21:52:34 ID:RN3
映画化してほしい
3341919点

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