1: 名無しさん@おーぷん 2015/04/19(日)15:06:29 ID:k6o
    MAZDAスタジアムで迎えた一戦。
    黒田は7回2失点の好投をするも、打線が勢いを見せず惜敗だった
    スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年はBクラスだな」の声
    無言で帰り始める選手達の中、黒田は独りベンチで泣いていた
    メジャーで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる自分の能力・・・
    それを今の広島で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
    「どうすればいいんだ・・・」黒田は悔し涙を流し続けた
    どれくらい経ったろうか、黒田ははっと目覚めた
    どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が彼を現実に引き戻した
    「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」黒田は苦笑しながら呟いた
    立ち上がって伸びをした時、黒田はふと気付いた

    「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
    ベンチから飛び出した黒田が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
    千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにヤンキースの応援歌が響いていた
    どういうことか分からずに呆然とする黒田の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
    「ヒロキ、出番だ、早く行け」声の方に振り返った黒田は目を疑った
    「ア・・・アレックス・・・ロドリゲス?」  「なんですか黒田さん、居眠りでもしてたんですか?」
    「あ、新井!? お前なんでメジャーに」  「黒田さん!頑張ってください!」
    「田中・・・」  黒田は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
    1(左)ガードナー
    2(遊)ライアン
    3(中)エルズベリー
    4(一)新井
    5(捕)マキャン
    6(右)ベルトラン
    7(指)Aロドリゲス
    8(三)へドリー
    9(二)レフスナイダー
    (投)黒田
    暫時、唖然としていた黒田だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
    「勝てる・・・でも勝てるんだ!」
    ノムケンからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する黒田、その目に光る涙は希望に満ち溢れていた・・・

    翌日、マツダベンチで冷たくなっている黒田が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った

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